ラ・ボス・デ・シレンシオ




深い神秘的なソレアです。3月2日、エバ・ジェルバブエナのソレアを観た観客の誰もが、心の中に印刻されるだろう。

「ラ・ボス・デ・シレンシオ」はビエナルで初演した作品ですが、このたびは、初演時よりも振り付けや構成具合、装置にもいくらかの変化があり、よりフラメンコ的な作品に仕上がっていました。俳優が詩を朗唱して演じた役柄を、元スペイン国立バレエ団のルベン・オルモスが舞踊で表現したのもよかったし、群舞もより効果的に活用されています。

しかし、何と言っても、ソレアです。ゆったりとしたスローな動作でコンパスを刻みます。歌を、フラメンコ自体を呼吸する様な彼女の動作は特筆に値します。あらゆる全ての人々の心をの奥底に潜んでいます。

しかし、大体、それとは、意識してはいない感性を汲み出す様な、奥深いソレアです。スローな動作と素早い回転力、力強いサパテアード、すべてが融合してひとつの世界をつくり出す。それを支えるパコ・ハナーラらのギターとエンリケ・ソトらのカンテです。

観客の拍手は鳴り止まなく続きます。エバの眼にも涙が浮かびます。本格的な高質のフラメンコの前提には、演劇的手法も現代舞踊の技術も色あせてしまう。エバはこの日、確実にまた階段をのぼりました。同時代に生まれたことを、彼女のソレアを観ることが出きれば、幸福になることが出来ます。


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